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第16話「平和」
授業で遅くなった大和先輩を待っていた莉音先輩が食券売り場で何やら笑っているのを見てホッとする。
「よかったな」
呟くと、創介は水を飲んでからチラッと遠くを見て目を細めた。
「どうだかな。まだ大和先輩はあの女と付き合ってるみたいだし」
創介の視線を追うと、あの焼き鳥屋で会った彼女と目が合った気がして俺は苦笑いをする。
何となく目を逸らすと、莉音先輩たちだけじゃなくて白身魚のフライ定食を持った竹先輩まで一緒に来てテーブルに座った。
「お前らみんな参加でいいよな?」
「勝手に決めんな」
竹先輩の言った意味がわからなくてきょとんとすると、創介は目を逸らして口を閉じるし、大和先輩は特に表情も変わらなくて、莉音先輩がムッとしながら返事をする。
「いや、来いよ」
「行きますよ!な?創介!」
そういえば竹先輩から飲み会のメッセージがあったことを思い出して返事をすると、隣に居た創介はじと、とこっちを見てため息を吐いた。
いや、何でだよ!
莉音先輩がなぜか笑いを堪えて大和先輩を見ると、大和先輩は知らん顔でカレーを口に運ぶ。
「須藤、お前今度は彼女とか言うなよ?あ、てか、別れた?あっちで睨んでる……あの子だよな?」
竹先輩の指の先には確かにあの女。
大和先輩は別にそっちを見ることもなくあくびをした。
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