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第16話(4)

「よし!クリスマスパーティーしよう!」  張り切って提案したのに創介には無視された。  なのに同じクラスの|佐田《さだ》が反応してきてちょっとキョドる。 「佐伯ぃ!クリスマスパーティーって……女の子何人くらい?」 「は、はぁ?」 「あ、てっめぇ、女の子を1人で何人も囲うつもりだったなぁ!?」  ニヤニヤ笑っていた佐田の顔が一気に鬼の形相になって創介に助けを求めたが、それが余計に火に油を注ぐこととなった。 「戸川もってことはかなりの女の子来るんだろぅがぁぁぁっっ!!」 「ちょっ!!何でそうなるんだよっ!」  首に腕を回されてギリギリと締められて俺はバンバンとその腕を叩く。  今、創介と付き合っているんだから女の子なんて呼ぶ訳ない!って言えれば即解決かもしれないけど、そうする訳にもいかないし。どんどん気持ちがこもり過ぎて本気になる締めにギブアップしているのに聞いてもらえず苦しんでいた。 「そんなパーティーしてる暇ねぇよ」  佐田の顔面にアイアンクローを決めて平然とする創介。  ミシッて音がしそうなくらいしっかり握っていて、俺は解放されたがちょっと佐田が哀れだった。

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