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第16話(7)

 結局、クリスマスは莉音先輩もバイト先でもある自宅の音楽教室で連日クリスマス会があって無理と断られ……創介もバイトに入らなきゃいけなくなって、俺もスネつつバイトのシフトを入れた。  そして、「クリスマスにお疲れ様」って何かかわいくデコレーションされたドーナツをもらって自転車を走らせる。  アパートに帰るまでの家々は明るい光が溢れていて、庭先にイルミネーションを施してある家も多くて何かしんみりした。  帰ってアパートを見上げても俺たちの部屋には明かりもついていなくて……自転車を停めながらため息を吐く。 「……創介のバカ」  呟きながら鍵を開けて中に入ると、ドアが閉まる前に壁に押し付けられた。  パタンとドアが閉まる頃には俺の口を割って熱い舌が入ってきていて漏れる吐息とともに唾液が顎を伝う。 「せっかく早く切り上げてきたのに……おっそくね?」  耳元で囁かれる創介の声に肩を揺らすと、創介は笑いながら玄関の鍵を締めた。 「創介!?何で!?」 「だから、クリスマスだろ?帰ってきたっつの!」  おでこをくっつけてから抱き締められる。  さっきまでのイラつきもちょっとの切なさも……あっという間にどっかにやるからズルい。 「寂しかったけど?」 「それは俺のセリフだっつの」  言いながら俺は創介の髪に指を絡ませて、首筋に吸い付いてくるその甘い愛撫に息を漏らしながら満たされていった。

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