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第17話(3)

 フイッと目を反らして反対側を見ると適当に置かれたビール瓶が目に入った。  コーラを飲み干してそのグラスにビールを勢いよく注ぐ。  グッとそれを一気に煽ると口の端からもかなりビールが零れた。 「ちょっと!佐伯くん!大丈夫!?」  左隣に居た女がおしぼりでシャツを拭いてくれたがすぐに痛いくらい右肩を掴まれる。  ぼんやりした頭でそっちを見ると創介がちょっとムッとしていた。 「悪いな。洗った方が早そうだからトイレ連れてくわ」  無理矢理立たせられて腕を創介の肩に回されて歩かされる。  やっと創介が近いことにちょっと嬉しくなって擦り寄ると、創介はため息を吐いてデコピンをしてきた。  部屋を出て連れられるまま角を曲がって柱の影で創介の腕を引く。  壁に背中を付けた俺を創介がしっかり抱き締めてきて俺も創介の首元に腕を絡めた。頬にキスをされて俺は焦れたように自らその唇に口を寄せる。  チュッ、クチュと音をさせて軽く啄むように唇を合わせながら潤んだ目で創介を見つめた。  熱い吐息を吐くと創介の舌が割り入ってきてジュルッと舌を絡める。  創介が角度を変えて舌で俺の唇を舐めて俺ももっとキスが欲しくてそろりと舌を出した。

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