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第18話(4)
「年始の挨拶くらいさせようと思って創介たちの迎えを頼んだのに……逃したわね」
チッと舌打ちするのを見て俺が笑い出すと、実希さんも「おかえり!」と少し笑う。
「うちの方にみんな居るからゆうくんもこのままこっちいらっしゃい」
俺と創介の腰に手を付いて下から見上げられて俺たちは創介の家に入った。
玄関いっぱいにある靴。聞こえてくる騒がしい声。
「俺、部屋に荷物置いてくるわ」
創介がさっさと靴を脱いで上がって行くと、俺は玄関すぐの戸を開ける。
「おー!ゆう!背ぇ伸びたかー?」
「おっとこまえだなぁ?」
「そうはどうした?あいつも帰ってきたろ?」
「お前もこっち来て飲め!20歳んなったろ?」
「ゆうくんの好きな栗きんとんあるわよ!」
次々に言葉が飛んできて酔っ払っているその面々に手を引かれて座らされた。
相変わらずだと思いながらグラスを渡されていることにハッとする。
「雄吾は飲めねぇよ」
いつの間にか降りてきたらしい創介が後ろからそのグラスを取ってグッと一気に飲んだのを見て、“カッコいい……”と俺は少し見惚れていた。
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