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第18話(5)
「何だぁ?たっつん!ゆうも酒飲めねぇとよ!お前も昔はそうだったもんなー?」
「酒屋の息子だからって酒が強いなんて決めるなって」
父さんがうちの真裏に住むおじさんに絡まれているのを見ながら、父さんも弱かったことを知る。
「たっつんは昔は飲むとすーぐ真っ赤になってよぉ!脱ぐんだ!」
ガハハと笑うおじさんの言葉を聞いて父さんを見ると、「昔の話だろ」と父さんは日本酒を口にした。
「飲むなよ」と創介は俺を睨みつつオレンジジュースの入ったグラスを渡してくる。
まぁ、確かに昨夜やらかしたばかりで、こんなとこで創介にキスしたら笑えない。
素直に受け取って口にしつつ、騒がしいその部屋の中に居るみんなを見て帰ってきたなぁと実感する。
うちの家族と創介の家族だけじゃなくて近所のおじさんやおばちゃんも入り乱れた感じ。
既に寝てて座敷の端に転がされている人が居るのも昔からよく見る光景だ。
「ゆうにぃ、おかえり!」
皿に俺の好きな栗きんとんと数の子を乗せて持ってきた妹の|沙南《さな》は俺の横に座ってグッと伸びをする。
高1になった妹はちょっと大人っぽくなっていて何か成長に驚いた。
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