135 / 203

第19話(5)

 次の日の夜はさすがに顔を出せと部屋から引っ張り出された。  創介の家には既にもういつからの酒でだかわからないヤバいのがいっぱい転がっている。 「本当にゆうは飲まないなー!飲めよ!ちょっとくらい!」  おじちゃんにグラスを押し付けられて受け取りつつ机に置いた。 「おっちゃん!雄吾はマジで無理だから、これは俺が飲むな」  隣に来た創介がそのグラスの中身を一気に飲み干す。 「お!そうはイケるな!ゆうは?たっつんみたいに脱ぐか?」 「絡み酒だから面倒だって。やめといたって」  創介は俺の場所と替わりながらおじちゃんのグラスにビールを注いだ。  絡み酒……まぁ、言える言い方を選んだか。エロくなるとか……言えんからなぁ。 「ゆうくんは?そうちゃんとの生活どうなの?」  席がズレたことで今度はおばちゃんたちに声をかけられた。 「どうって?」 「雄吾は何にもできないからそうちゃんに甘えっぱなしでしょ?」  母さんの言葉に何も言い返せない。 「料理、掃除、洗濯……全部そうちゃん?そんな生活してみたいわぁ」  おばちゃんたちはキャイキャイ言いながらすぐにそれぞれの旦那の愚痴になった。

ともだちにシェアしよう!