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第19話(7)
朝、寒くて布団を探るのに手には掴めない……というか……。
「うぉっ!!」
目の前に創介が寝ていてバッと体を起こした俺はその勢いのまま床に落ちた。
「痛っ……」
その音で創介は目を覚ましたらしく、あくびをする。
「……何してんの?お前」
明らかにバカにした顔。
「え?何で俺、創介の部屋?てか、一緒に寝……」
「お前、急に寝たんだよ。親父の日本酒舐めちゃって」
混乱している俺に向かってため息を吐きながら、創介はベッドに腰かけた。
「え……」
変な汗が吹き出す。
俺……まさか……?
「今回はすぐ寝たから急いで運んだんだよ。でも、寝かせたら離さなかったの!お前が!」
じと、と見られて縮こまった。
「……すいません」
謝る以外どうしろと?
正座をして身を小さくしていると、創介は笑い出す。
「お前は俺の傍に居ろってことだな」
「は?」
顔を上げると、創介にチュッと音をたててキスをされた。
「いつでもすぐフォローできるように……必要だろ?」
ニヤリと笑われて抱きつくと、創介は頭を撫でつつ俺の顎を持ち上げる。
じっと見つめて優しく微笑むと顔を近づけてきてまた唇を重ねてくれた。今度は柔らかく丁寧に。啄むようなキスから少しずつ深く。
「……好き」
「あぁ、離れんなよ」
そんなの、言われなくても俺はもう離れられない。
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