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第20話(3)
「なぁ、バレンタインの日ってお前バイト?」
パッと再び目を開けて創介の腕の中でちょっと上を向くと
「は?……休む代わりにメニュー提案してんだけど?」
創介は俺の後頭部をキュッと抱き寄せてきた。
「そうなのか?」
それでも俺は顔を上に向ける。
「クリスマス、スネたの誰だよ」
「え!?休めるのか!?」
「いいから……寝るぞ」
無理矢理話を切られた。
でも、嬉しくて俺は創介にくっついてゆっくり目を閉じる。
幸せで本当満たされていて……
創介の体温を感じて、胸の鼓動を聞きながらくっついて眠る。
抱き締められて眠ることがこんなにも心を穏やかにして満たされるなんて……実家で距離を取った数日があったからこそだ。より実感した。
だから、バレンタイン……ちょっと頑張りたいなって……。
俺は密かに企てを始めた。
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