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第20話(5)
次の日、莉音先輩とショップに入ろうとして固まる。
「雄吾……マジで行く?」
想像はしていたけど、マジの女だらけ。もう辺り一帯ピンクとハートに見えてちょっと恐怖を感じた。
男なんてもちろん俺と莉音先輩のみ。
莉音先輩はまだかわいい顔してるし小さいしいいかもしれんけど……俺は無理だろ。
「別にこんな専門店じゃなくてショッピングモールとかでよくないか?」
不安そうな莉音先輩に見上げられて
「いや……行きましょう!」
なぜか決意を固めた。
「マジで?」
「だって、初バレンタインですよ!サプライズですよ!まぁ、創介にはバレてる気がするけど……」
「それってサプライズか?」
目を細めた莉音先輩の腕を引っ張る。
店に入って更に視線は痛いけど仕方ない。
「雄吾……恥ずかしい」
莉音先輩が俺の腕を掴んできてちょっとかわいいなんて思いながら前を見た。
身長のお陰で前に女の子たちが居ても商品はあらかた見える。莉音先輩は苦しそうだけど……そこはまぁ頑張ってもらって。
創介は甘いものは好きでちょいちょい夕飯とか作りながらつまんでいたりもする。
大体の目星をつけると、振り返って莉音先輩を救出した。
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