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第20話(8)

 ドSの鬼畜創介がここで出るのはよくない!  先輩たちにちょっとエロハプニングがあるといいなぁ、なんてのはやっぱり思うけど、自分の身が危険なのはダメだ!そんなモン突っ込まれて平然となんてしていられない!先輩たちの前でとか……あり得ないだろ!? 「今日は酒なしで!うん!楽しいお泊りにしよう!」  起き上がって「オー!」と拳を上げる。  創介はちらっとこっちを見るだけでまた調理に戻っていった。  創介と2人きりも捨てがたかったけど、なかなか居ない同性カップル同士。まだ付き合いたての先輩たちのラブラブ話だって聞いてみたかった。  だから、今日は泊まりで家に来るように誘ったんだ。  大学とか店では話せないような話もできる訳だし……にししっと笑いが堪えられなくて1人で笑いながらちらっと俺の部屋を見る。  昨日、莉音先輩と買ったサプライズのチョコもあるし準備は完璧!!  グッとガッツポーズをしても、やっぱりニヤけてくる。 「……覚えとけよ」  創介の呟きはジャッとフライパンで炒める音で俺の耳には届かなかった。

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