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第21話(8)
舌が俺の口を割ってゆるゆると創介の口にあった水が入ってくる。口が離れた時に少し端から溢れた。
それを手の甲で拭いつつ抱き締められる。
「お前の作戦、成功……だろ?」
「やり過ぎだ。バカ……明日、先輩たちの顔見れねぇだろ」
ムッとすると、創介は顔を覗き込んできてニヤニヤと笑った。
「その反応もまた楽しみだろ?」
「変態」
プイッとそっぽを向くと、顎を捉えられて目を合わせられる。
頭を振ってみても動かない。
創介は満足そうに笑うと、そっと青い箱を出した。
「ん、頑張った雄吾に本物のプレゼント」
目の前に出されたそれは、顎を解放しつつ俺の手を持ってしっかりと乗せられる。
「え?」
「コックリングがマジのプレゼントだと思ったか?」
目をパチパチ動かすことしかできない俺の反応を見て、創介は笑いながらそっとその箱の蓋を開けた。
中には2つのリング。
「この革紐に掛けて……」
創介は片方のリングを取って内側を確認しつつ黒い革紐にリングを通す。そのまま俺の首に紐を掛けて結んだ。
「……こういうのって結んでから掛けてくれるんじゃないのか?」
創介はサッと結んだもう1つを首に掛けたのを見て口を開くと
「おもしろ味ねぇだろ?」
創介はニヤリと笑ってゆっくり口を重ねてきた。
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