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第21話(9)
首にあるリングは嬉しい。本当、かなり嬉しい。
憧れたけど、指にペアは気が引けていた。だから、革紐で首にって……最高じゃね?
朝、目を覚ました俺は改めてリングを見つめて1人ニヤニヤとしていた。
よく見ると内側に“S to Y”の文字。
ますます嬉しくなって寝ている創介のリングを見ると“Love.Y”。
思わずギュッとくっつくと、創介は「んっ」とちょっと色っぽい声を出して目を開けた。
あくびをしつつ俺が持ったままだったリングを見て口の端を上げる。
「あのコックリングもその紐に通すか?」
「バカっ!!ヤだよっ!!」
ペチンと顔面を叩くと、創介はその手を握ってパッと俺の上に乗った。
垂れてくる前髪が顔に触れる距離で創介はじっとこっちを見てくる。
「でも、あのリングもよかっただろ?」
「……痛ぇわ」
「気持ちよかったくせに」
くすくす笑われて顔を背けると、創介はあのリングをパッと俺の目の前に出した。
ビクッと思わず肩を揺らすと、創介は俺の頬に頬をくっつけてしっかりリングを見せてくる。
「ちゃんと名前も彫ったのに」
俺サイズとか恥ずかし過ぎて笑えねぇ。
「クセになるって」
なってたまるかっ!!
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