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第22話「不安」

「なぁ……」  先輩たちを見送って玄関の前で手を振りながら口を開く。 「ん?」  創介はあくびをしてグッと伸びをした。 「莉音先輩と大和先輩っていいよな?」 「は?何が?」 「莉音先輩、ちっちゃくてかわいいし……そりゃ、大和先輩好きになるわなって感じで……」  ちょっと笑いながら2人の後ろ姿を眺めて言うと、急に手首を掴まれる。強い力で引っ張られて無理矢理玄関の内に押し込まれた。  創介は俺を壁に押さえつけると鼻が触れる距離でギリっと歯を食い縛る。 「創……介?」 「お前、莉音先輩がいいのか?」 「はぁ!?」  思いっきり声を裏返すと、創介は眉を寄せて荒々しく口を塞いできた。 「昨日もやたら莉音先輩かわいいっつってたし、押し倒したりもしたもんな?」  口を離して睨むように言われて首を傾げる。 「そんなんいつしたんだよ?」 「チッ。面倒くせぇな」  尋ねると、舌打ちをして創介は離れた。  靴を脱いで階段を上がる創介を慌てて追いかける。 『面倒くせぇ』なんて……やけにグサっと胸に刺さった。 「俺、やっぱり面倒くさいか?あんなかわいくないし、背も小さくないし、どう見たって男で……何もできねぇし……莉音先輩みたいにはなれねぇもん」  創介を目の前にしたらどんどん声は小さくなる。

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