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第22話(2)

「……お前、何言ってんの?」  創介はキッチンから出てきて俺の手を引いた。  ラグのところまで来ると、足で軽くガラステーブルを退けて何のためらいもなく俺を横抱きにする。 「わっ!!ちょっ!!」  急なことでよくわからず思わず創介にしがみつくと、創介は「お前がいいんだろ?」と口を近づけてきた。  ためらいながら創介の首に腕を回して、ゆっくりと口を合わせる。  チュッと触れただけで離れようとすると、創介はそのまま追いかけてきて食べられる勢いで唇が塞がれた。 「雄吾しか見てねぇよ?ずっと……」  眉の寄った珍しく余裕のない創介の表情を見てドキッとする。  首の後ろに回した腕に力を込めて思いっきり抱きつくと、創介は何を思ったのか歩き出した。 「え?どこ……」  迷うことなく俺の部屋のドアを開けてベッドに降ろされる。 「俺の部屋はまだ布団そのままだからこっち」  耳元で囁かれる声を聞くと、背筋をゾクゾクと何かが走り抜けた。 「雄吾……その目、めちゃくちゃエロくなってるって知ってる?」 「え?」 「ずっと好きだったんだって……言っただろ?お前を見てる女にだってお前を取られたくなくて近づけないようにするほど……俺はずっとお前しか見てない」  まっすぐこっちを見た創介の顔がゆっくりと近づいてきて重なる。

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