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第23話(2)
創介は今日はバイト先から昼の営業に急遽ヘルプで呼ばれて居ないし、大和先輩はゼミの打ち合わせとかで昼ご飯は俺と莉音先輩だけだった。
「……あのさぁ。その……」
いつもより少し少なめ(といっても2人前はある)定食を食べ終えると、莉音先輩はちょっと前のめりになって声をひそめる。
「ん?何ですか?」
俺も顔を近づけると、莉音先輩はちょっと赤くなって水の入ったグラスの水滴を撫でた。
「あの……さぁ。お前らって……いつも……その……」
モジモジと言いにくそうな莉音先輩を見て何となく察する。
「拘束されたりはいつもじゃないですよ?」
ケロっと答えると、莉音先輩は口につけていた水を軽く吹いた。
「バカ!お前、何言って……」
慌てて布巾でテーブルを拭く先輩を見つめてニヤリと笑う。
「えー?エロトークですよね?」
「は?」
「大和先輩とヤりたくなりました?」
気にしないで水を飲むと、莉音先輩はうぐっと喉を詰まらせて焦ったように視線を彷徨わせた。
「否定しないんですね」
「ちがっ……うぅ……」
笑うと、やっぱり莉音先輩は否定まではしないで俯く。
「俺でよければ何でも答えますよ?」
さっき莉音先輩がくれたチョコを口に入れると、莉音先輩は真っ赤になったまま小さく頷いた。
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