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第23話(3)
「あー、やっぱり大和先輩は童貞じゃないですよねぇ」
トレーを端に寄せて机に肘を付くと、莉音先輩はいちいちワタワタと大きく反応する。
普段と違ってゼミとかサークルとか用のある学生だけだし、人はそんなに居ないから気にしなくていいのに。
「大丈夫ですって!俺も童貞ですし」
ニコッと笑うと莉音先輩は机に突っ伏した。
「ダメだ……もうめちゃくちゃ恥ずかしい」
「えー?でも、この前ヌき合いはしたんですよね?」
聞くと、莉音先輩は顔を上げないままビクッと肩を揺らす。
「気持ちいいことは素直に感じていいんですって」
もう1つチョコを手に取ると、莉音先輩は少しだけ顔を上げてためらいがちにこっちを見た。
「……お前、気持ちいいの?」
「ん?エッチのことですか?」
「だからっ!声っ!!」
慌てた莉音先輩が立ち上がって俺の口を塞ぐ。
笑って手を退けて座り直すと、莉音先輩も小さくなって腰を降ろした。
「そりゃ、最初は指1本だけでも気持ち悪いってか違和感ってか……マジでここに挿れるのか?って思ったけど」
素直に答えると、莉音先輩の顔が引きつる。
「あいつの指はやっぱりドキドキするし、奥まで挿るとまぁ苦しいけど……安心する感じです」
ポンッとチョコを投げて口に入れると、莉音先輩はかなり不安そうな顔をした。
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