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第23話(4)

「無理……俺、絶対に無理」  プルプル震える莉音先輩の肩を叩くと先輩はこっちを見て、俺はその口にチョコを突っ込む。 「全く痛みがないとは言わないけど……恥ずかしさの方が上ですかねぇ。ヤってる時の姿って冷静に考えたら死ねますから」 「……じゃあ、もうやらなくてよくないか?」  なぜかぐったりしている莉音先輩の耳に俺は腰を浮かせて口を寄せた。 「そんなのぐちゃぐちゃになるくらい気持ちいいし、幸せなんですよ」  囁くように言うと、莉音先輩はピクッと反応して上気した顔をこっちに向ける。 「その顔で大和先輩にすり寄ったらすぐに喰われそうですね」  笑ってイスに深く座ると残り少ない水を飲み干した。 「先輩は後ろに挿れたこと全くないんですか?」 「当たり前だろ!そんなの……」  先輩はもうこれ以上ないくらい真っ赤になって顔を手で覆う。 「でも、大和先輩とエッチしたいんですよね?」 「……お前、ちょっとはためらわないのか?」 「えー?元々エロトーク大好きですもん!先輩だって興味はあるでしょ?」 「……わからない。だって……お前、何か……苦しそうだったし」  モジモジする先輩。  こういう初々しい反応な。んー、俺、どうだったっけ?

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