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第23話(5)
「あー、この前は手錠されて根本もリングつけられて出せなかったからで……」
「なっ!バッ!!待っ!!だぁっ!!」
莉音先輩が慌ててもう机に頭をぶつける勢いで、俺はとりあえず黙った。
「それってS……」
「創介、ドSですから」
にこっと笑うと、莉音先輩はヒクッと口元を引くつかせる。
「あ、でも、過激なのはやらないし、普段は道具使ったりもないですからね!縄とか本格的なのもやらないし!……たぶん」
一応補足したが、莉音先輩はもう机に突っ伏したまま動かなくなった。
「……大丈夫じゃないですか?大和先輩は溺愛なイメージですけど?」
「溺……愛?」
少し顔を動かして眉を寄せた先輩に笑いかける。
「甘々なエッチでトロトロにしてくれそうってことですよ」
爆発して湯気でも出そうってか、もう既に溶けかけてるんじゃないかって勢いで莉音先輩はワーワー言いながら頭を机につけていた。
「何してるんだ?」
どうしたものかと考えていると、通路に立っていたのは大和先輩。
「あ、受けトークしてたんですけど、莉音先輩には刺激が強過ぎたみたいで」
笑って誤魔化すと、
「だろうな」
大和先輩はこっちに回ってきて莉音先輩の顔を覗き込む。
「莉音、教授と話すんだろ?」
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