168 / 203

第23話(5)

「あー、この前は手錠されて根本もリングつけられて出せなかったからで……」 「なっ!バッ!!待っ!!だぁっ!!」  莉音先輩が慌ててもう机に頭をぶつける勢いで、俺はとりあえず黙った。 「それってS……」 「創介、ドSですから」  にこっと笑うと、莉音先輩はヒクッと口元を引くつかせる。 「あ、でも、過激なのはやらないし、普段は道具使ったりもないですからね!縄とか本格的なのもやらないし!……たぶん」  一応補足したが、莉音先輩はもう机に突っ伏したまま動かなくなった。 「……大丈夫じゃないですか?大和先輩は溺愛なイメージですけど?」 「溺……愛?」  少し顔を動かして眉を寄せた先輩に笑いかける。 「甘々なエッチでトロトロにしてくれそうってことですよ」  爆発して湯気でも出そうってか、もう既に溶けかけてるんじゃないかって勢いで莉音先輩はワーワー言いながら頭を机につけていた。 「何してるんだ?」  どうしたものかと考えていると、通路に立っていたのは大和先輩。 「あ、受けトークしてたんですけど、莉音先輩には刺激が強過ぎたみたいで」  笑って誤魔化すと、 「だろうな」  大和先輩はこっちに回ってきて莉音先輩の顔を覗き込む。 「莉音、教授と話すんだろ?」

ともだちにシェアしよう!