創介と並んで特別講義を受ける。 　一応レジュメを出してシャーペンを握ってはいるが、頭の中はさっき莉音先輩と話したエロトークとか、２人寄り添って歩いて行った姿とか、何かいつもドキドキさせてくるすぐ横にいる創介とか……授業の内容は何一つ聞いてはいなかった。 「……何か一泡吹かせらんねぇかなぁ」 　ガンッと横から創介に足で蹴られてハッとする。 「俺……声に出してた？」 「誰に一泡吹かせるって？」 　机に頬杖を付いて授業中だけはかけるメガネを光らせた創介を見て視線を泳がすと、斜め前に居た佐田が目に入った。 　何やら必死にスマホで検索していることしかわからない。 「あいつ、何してんの？」 　創介に小声で聞くと、創介は前を見てメモを取りながら面倒くさそうにため息を吐く。 「彼女できて今度のデートでいい雰囲気に持っていきたいから大人なデートプラン計画中だとよ」 　真剣な佐田をもう一度見てから俺は創介のメモを見ながら写した。 　みんな結構恋人とイチャつく努力してるのな。 　俺は……？ 　ちらっと創介を見ると創介は真剣な顔でちゃんと教授の話を聞いていて、そのカッコいい横顔に俺は１人でドキドキしながら机に突っ伏した。