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第23話(8)
同じ学部で授業も同じのを取っているから、もちろんいつも終わりも一緒の俺らだが、帰りはバイトだったりで別になることの方が多い。
昼にヘルプに行った代わりに夕方から夜のバイトは休みになった創介は買い物して帰るというので、任せて俺はバイト先に向かった。
「んー?佐伯くん、悩みごと?」
ポップを描いていた同い年でバイト歴もほぼ一緒の|安堂《あんどう》が緩くウェーブのかかった髪を耳に引っ掛けながら顔をあげる。
「どうかなぁ。悩んでるってか……あのさぁ、安堂さんは彼氏に喜んでもらうとしたら何する?」
安堂さんは週末だけ彼氏の家で寝泊まりしていたことを思い出して聞いてみた。
「料理したり」
「俺、できない」
「知ってる!何、好きな子でもできたの?」
ふふっと笑われて俺はため息を吐く。
「ちょっとエッチな下着つけて甘えてあげる……とか?」
「え?」
「喜ぶよ」
ペンのキャップを閉めて伸びをしながら笑った安堂さんはポップを持って歩いて行った。
やはり意外とみんなは色々考えているらしい。
エッチな下着……男物ってあるのか?それで創介が喜ぶかはわからないけど、帰ったら検索しよ。
何となくワクワクしながら、俺はカウンターから出て売り場の整理に向かった。
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