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第25話(5)

「雄吾?」  浮いたままだった手を握られてハッとする。  創介は俺の手を離すと、スティックを手に取って先を破いて俺のカップにサラサラと砂糖を入れた。半分より少し多めに入れて中途半端な残りは自分のカップへ。 「お前が継ぐ時は店を改装してちょっと形を変えてもいいんじゃないかって」 「は?」 「おじさんが言ってたんだよ。年始に」  創介が何を言っているのかがわからない。 「軽く飲めるスペース作ってつまみ出してグラス1杯だけとかな」 「え?何?」  頭の中が混乱していて何も理解ができなかった。 「俺がつまみ作るからお前が酒出して……ってやらないか?もちろん、今まで通りの店もやるけどな?」 「……うちの店を継ぐってこと?」 「2人でな」  今まで考えもしなかった提案。まぁ、これまで真剣に将来を考えていなかったんだから当たり前なんだけど。  一緒に居られる?  卒業してからも……ずっと……? 「いいのか?」 「何が?」  微笑む創介にすり寄るとギュッと抱き締められた。 「お前、何だかんだ地元戻りたいだろ?あの辺りは個人経営の店は色々あるけど、ちょっと飲めたり軽くつまめる店なんてねぇじゃん?」  創介の唇が俺の首筋に触れて跳ねると、満足そうに笑う声が聞こえる。

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