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第25話(6)
「勝に店任せたいけど、雄吾も店には関わりたい……でもなぁって感じでモヤってたんじゃねぇの?」
「俺より俺の心を理解すんなよ」
「勝に仕入れとか、酒の販路は広げてもらって俺らはその片隅で新たな酒とつまみの提供……酒好き多いし、新たな集客にもなると思うんだけど?」
少し離れて、創介が紅茶に手を伸ばした。
俺も横に座ると手にカップを持たされる。
「お前、前期、現代社会学部の授業取るとか言い出したのって……」
カップに口を付けてちらっと創介を見ると、
「店を継ぐだけじゃなくて、リニューアルで新規開拓するからには……な。役に立つかもしれねぇだろ?」
創介は立ち上がって部屋に行くと、クリアファイルを持って戻って来た。
机に置いたのは3年前期の履修登録のために組んだ時間割表。
3年とは思えないコマ数に俺は固まった。
莉音先輩とかの現代社会学部のビジネス系の科目から大和先輩とかの多文化コミュニケーション学部の語学系の科目まで……むしろ、俺たち文学部の科目はかなり少ない。
「俺、英語とかは無理……」
不安でしかなくて呟くとポンポンと頭を軽く撫でられる。
「授業一緒じゃなくても雄吾の好きなことすればいい。俺がちゃんのお前のサポートはするから」
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