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第27話(5)

「お前、それ、どういうことか……」  創介もゆっくり背筋を伸ばした。  何となく冷静さを取り戻したようにも見える。 「わかってる……とは言えないかな。実際そうなってみないと反応とかはやっぱりわかんねぇし」  ちょっと考えると、創介は頷いて俺の両手を握った。 「でも、確かに……認めてもらいたいな」 「創介……」  柔らかく微笑まれて俺もつられる。 「まぁ、大丈夫な気はするんだよな」  足を崩してニッと笑うと、創介も足を伸ばして笑った。 「狭い町だからダメージはデカいぞ?」 「でも、あったかい人たちだから……むしろ、盛大に祝ってくれそうじゃね?」  伸びながら横目で見ると、創介は「確かに」と呟く。 「その為にも……色々頑張らねぇとな!」  何やら気合いを入れた創介は立ち上がってキッチンに行くと、カウンターから顔を出して手招きをした。 「何だよ」  俺も立ち上がると、創介は四角いフライパンを取り出す。 「何それ?」 「やっぱ、オヤジ共は日本酒好きだしな。和食も勉強しようと思って」  言いながら創介は器用に卵を割っていった。 「なら、俺もちょっとずつ家事やろっかな!」  勉強する内容をどんどん広げていく創介の役に立ちたい。  そもそも俺の実家を継ぐ準備な訳で……俺と共に居るための準備なんだから、俺だって何かしたかった。

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