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第27話(6)

「何する気?」  カシャカシャと卵を混ぜていくいい音。 「洗濯とか?」  カウンターのイスを出して座ると、俺はそこに肘をついて笑う。 「とんでもねぇミスはお仕置きするぞ」  火を点けてフライパンを確認しながら創介は本当にとんでもねぇことを言った。  でも、お仕置きって聞いただけでなぜかゾクッとする。 「バッ……そうそうするかよ!」  パッと体を起こして否定したが…… 「へぇ、前、洗濯機から泡吹き出してたけどな」 「うぐっ」 「干そうとして道路に落とすし?」 「う"ぅ」 「ちゃんと留まってなくて風で吹き飛んでったこともあるか」 「……」 「畳もうとして破いたのは?」 「……あー!もー!俺だよ!全部、俺!!」  ミスばかりを羅列されて怒鳴った。  でも、その時に風呂で泡まるけにされて散々嬲られたのも思い出してしまって顔が熱くなる。 「っし!」  そんな俺を見ることなく、創介は器用にくるくると巻いただし巻きを皿に乗せた。  見た目は完璧。  本当、器用に何でもこなしやがって少しムカつく。  俺の複雑な思いをスルーする創介は食べやすいように切って一切れ箸で摘むと笑ってカウンターから身を乗り出してきた。

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