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第27話(7)
口を開けて食べた俺はうーんと唸る。
すぐに自分でも食べてみた創介も眉を動かしてため息を吐いた。
マズくはない。でも、うまいとも言えない。何かが足りない。そんな感じ?
「お前、本当和食は苦手だよな」
笑いながら俺もキッチンの方に回って手を洗う。
「……意外と和食は俺の方がいいんじゃね?」
ニヤリと笑って卵を手に持った。
だが、さっき創介がやったようにコンとぶつけたつもりなのにグシャッと見るも無残な姿にしてしまう。
「和食以前の問題じゃねぇか」
「うるせぇ!」
ムッとすると、笑いながら腰を掴まれてキスされた。
何度も軽く触れてから次第に舌先が俺の唇を割ってしっかりと絡められる。
ベタベタな手で俺はどうすることもできないのに深くねっとりと愛撫されてすぐに熱い吐息が漏れた。
「んっ……はぁっ……そ……すけ……」
とろんと溶かされる感覚に目が潤んできて声に艶が加わる。
こうなると俺も創介しか見えなくなるから困ったものだ。
腰の痛みも喉の限界も忘れて、舌を出して創介に吸われながら甘い声を漏らす。
ピッタリと腰をつけて創介の熱を感じてドキドキする胸を創介の指が這うのをゾクゾクしながら俺はゆっくり目を閉じた。
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