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War64:2nd Single OUT③

 「千遥さん!あれ乗りたい!」  奏が指差した先には直角に見上げる程のジェットコースター。拒否権も無く腕を引かれ重い足を何とか動かして付いていく千遥。 元々、絶叫系が苦手な上に仕事後の疲れと周りの人目を気にしながら遊園地で遊ぶ経験はなかなかない。  『いいけどこれ乗ったらひとまず休ませて』  入園してからノンストップで乗り続けているアトラクション。さすがに足腰が付いていかなくなってきた。対照的に順番を待つ列に並んで人数を数える余裕を見せる奏。  「あと7組くらいかな〜」  時間も過ぎて暗くなったとは言え、遊園地のライトアップの灯りではまだ周りの目も油断出来ない。さっきから真後ろの女子2人組がコソコソと内緒話ししているのが耳に入って気掛かりだ。もしかしてファン?気付かれた? 夜だしさすがにサングラスは辞めておいたけど、やはりマスクとキャップでもバレてしまうのか。  「あー!遊園地って楽しいですね♡」  こっちが冷や冷やしてるのを知ってか知らずか何も気付いていない奏は肩に顎を乗せて甘えてくる。  "ちょっと見て。男同士で、、" 微かに聞き取れた背後の女性達の言葉。チラッと見えた女性達は引き気味の顔をしている。    『ちょっと顎辞めて。後ろの人見てるから…」  「えっ!もしかして俺ってバレました!?」  『そうじゃなくて、くっ付いてるから変な風に見られてるんでしょ』  「あー…なるほど、、そっちの意味ですか」  そう耳元で彼にヒソヒソと話すと、スッと顎を外して距離を取った。彼だと気づかれていない事は良かったけれど、その問題とは別にやはりこの関係は一般的に受け入れられ辛いんだ、、とか。こんな状況でもまたそんな事ばかり考えてしまった。  「次の方2名様!先頭へどうぞ。あっ、すいません。帽子は飛ばされるので外してもらえますか?」  スタッフからの忠告に同時に帽子を外して鞄に入れた。安全バーが下りて心臓のバクバクする音がより一層大きくなり、上を見上げて無事に生還する事だけを考え目を閉じる。  「ねぇ、千遥さん大丈夫ですか?何かこの世の終わりみたいな顔してますけど!?」  そして発車の音がなる。隣で彼がこちらを見ながら何が話していたようだったけど記憶はなく、それからの数分間は覚えていない。  『あー!!もう無理!』  「大丈夫ですか?って言うか、、ふふっ。千遥さんずっと石みたいに固まっててちょっと笑えました!」 グッタリとベンチに座り込んだ千遥を見て含み笑いしながら言う。  『大体ねぇ、今僕らは病院に行って……しまった!日高さんに連絡するの忘れてた!あれ?充電切れてる……あ〜もうどうでもいいや!』 突然ヤケクソな態度で拗ね始めた千遥。  「じゃ、、何かご飯でも食べます?今日付き合ってくれたお礼に何でも奢りますんで」 さすがにまずいとご機嫌を取るように優しい口調で言った言葉にも関心が無い。  『、、、食欲ない』  「んー…じゃぁ、、あれはどうですか?」  そう言ってキラキラ光りながらゆっくり回る観覧車を指差した奏。  『観覧車……?』  「お願いします。最後に一緒に乗って下さい。話したい事があります」

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