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War77:Curse of age⑧
見事な兄妹の連携プレイでこれまでは作戦通り順調。車の中でいつでも動けるように待機ながら美織の情報を待つ。
「あっ、電車降りた」
『よし!そのまま尾行せよ!』
「ラジャー!」
緑のコートを目印に後をつける美織はまんざらでもない様子で、ターゲットに目を光らせ完璧に尾行をする。DeeperZに会う為、それだけじゃないちょっとした好奇心が湧いてきた美織。
実は探偵物のドラマが大好きで主人公につもりでやる気はかなり乗っていた。
昔から歩く事5分、るりはあるビルの中に入って行った。どうやら目的地に着いたらしい。美織は千遥に電話をかけすぐさま状況を伝える。
『もしもし。現在マル対ビルに入った。女のニ対を発見、マル対と接触している模様。どうぞ!』
「、、どうぞじゃない!何言ってるかわかんないんだけど。どうした急に!?」
『あっ、つい名探偵気分になっちゃった、、つまり、ターゲットがビルに入って中にいた女性と話ししてる』
『そのビルに何か書いてない!?』
「えーっと待ってね、、あっあった!ユニーク、、ファッションカレッジ?」
『えっ、それってファッションの学校?』
「うんそんな感じかなー…私ちょっと中も入ってみる!」
『大丈夫か!?』
「大丈夫だから任せて!」
そう言って、美織はビルの中に入っていった。ここまできたらを最後まで突き止めたいと、キョロキョロと人目を気にしながらターゲットの後追った。
電話を切った後、千遥もカーナビに場所をセットして美織の言うビルへ急いで向かう。学校の名前を聞いた事でなんとなく彼女の考えてる事はわかった。正直少し不安があった、それはもしかして恋愛がらみだとしたらもっと厄介な事になっていたから。
"僕に他人の恋愛を口出しできる権利はない"
運転しながらどこか冷静なもう1人の自分がそう囁く。それと彼の顔も同時に浮かんだ。だとしたらある意味こういう結果で良かったのか、、さてでもこの先はどうしようか。
"目的地です。案内を終了します"カーナビの声で、車を道路の路肩に止め運転席からビルを見上げた。思った以上に大きなビルだった。
"UNIQUE FASHION COLLEGE"
UFCと略されファッション関係の職につきたい学生たちが学ぶ場所。ファッションに疎い千遥でも聞いたことある有名な学校だ。
『いつもここに来てたのかー…あっそうだ美織!』
電話を切ってから電話もメールもない。もしかして気付かれた!?呼び出しのコールだけが虚しく響き不安が募っていく。
その時ドンッドンッと運転席の窓ガラスを叩く音にビクッと身体を揺らして顔を上げるとそこにいたのは美織、そのまま助手席に回って車に乗り込む。
『美織!!よかった。無事だった!』
「無事って何?別に悪の組織のアジトに潜入したわけじゃないんだけど。あー!それよりお兄ちゃん!!なんで言ってくれなかったのよー」
『、、ん?な、何が!?』
「ずっと追ってたの倉持るりじゃん!!まじ超細くて、顔ちっちゃくて可愛いかったー♡」
『あぁー…だって言ったら絶対平常心じゃいられないと思ったからあえて隠してた。知らない方がやりやすいかと思って』
「マスク外した瞬間、彼女だったからびっくりしたよ〜」
『それで中の様子はどうだった!?』
それから中の様子を話し始めた美織。どうやら予想通り、彼女はこの学校の生徒で授業受けてるらしい。ビルに入ってすぐ居た話をしていた女性は先生だそう。
その後、入った教室はデザイン科と書かれていてそのまま真剣に授業受けていたと。
時々、クラスの生徒たちと笑いながら楽しそうだった。彼女のマネージャーをしてからまだ見たことない笑顔は意外なところで見せていたんだ。
彼女にも笑える居場所がちゃんとあった事が何だから嬉しく感じた。
「ありがとう。美織!」
『お兄ちゃんが何でこんなことしてるのか謎だし何考えてるのか分かんないけど!明日よろしくね♡』
「はいはい!わかってるよ」
助手席で美織は一役やり終えた達成感と好きだった芸能人に会えたと喜びながら帰り道ずっと喋っていた。"彼女の作る服見てみたいな"と最後にボソッと呟いた美織。
"見れるよ。近いうち絶対に"そう返した。
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