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War81: Jealousy and Sin②
5月下旬。久しぶりのオフの日、学校帰り制服姿の奏の頭は千遥のひざに置かれてスナック菓子を片手にずいぶんと浮かれた顔をで口を動かしていた。
『あーもうほら〜床に落ちてるって!』
「後でまとめて拾いますって〜」
『そんなこと言って絶対しないでしょ!』
ソファーの下のカーペットにポロポロと落ちるスナックのカスを見ながら小競り合い始まる。
「あっ、それで来月に倉持るりの元マネージャーさん復帰するんですか?」
『コラッ、話逸らさない!まぁそう。思ったより早くて良かったけどね』
「あ〜やっとだ!なんか最近千遥さんの周り、女子がウロウロしてて近づけなかったじゃないですか。これでいっぱいイチャイチャ出来る〜」
『なんかご機嫌だね。でさそろそろ足がしびれてきたから頭退けてくれなかな?』
千遥がそう言って、テレビから視線を下に向けると突然、奏が身体を起こしてキスをした。不意打ちキスをすんなり受け入れた千遥の様子を見てとチャンスとばかりに身体に触れる。
背中をなぞる奏の手はだんだん前に移りシャツを捲って手の温もりが直にお腹に当たる。
チラッと千遥を見ると懐疑的 な目線を向ける気付いて慌てて顔を離した。
「違いますっ。そのッ!身体凝ってると思ったからマッサージしようかと、、!」
『へぇ〜マッサージ?ホントかな?』
「えっとー…あっそう!俺レギュラーで番組決まったんですよ!」
『また話逸らした!あーそれなら日高さんに聞いたよ。昨日収録初日だったんでしょ?どうだった?』
めくれ上がったシャツを戻して何事もなかったように話出す千遥。思春期盛り期の彼氏の扱いにも慣れてたように視線一つで黙らせる技術を身に付けた。
「すごい楽しかった!プロデューサーさんにも褒めてもらえたし」
『中崎くんとは上手くやっていけそう?』
「うん。朔はすごく優しくて頼れてすぐ仲良くなったし、スタッフさんみんなもいい人たちばかりだし良い環境ですよっ」
撮影現場を楽しそうに話す奏を見て千遥も安心した。単独の仕事はどうしたって不安で選んでもらったからには結果を出したい。
まだデビューしたてのアイドルにはプレッシャーも多いけど乗り越えたら大きな自信にもつながる。
『そっか。良かったじゃん』
「来月から放送するからちゃんと見てくださいね!」
『もちろん。奏くんがスベってるところ、しっかり見てあげるよ!』
「スベッてませんからっ!!」
ふふっ。と笑いながらフラッと立ち上がり、隣の部屋から掃除機を持って戻ってきた千遥。お菓子の食べかすを吸い込む、掃除機は大きな音を立てる。
「あー…千遥さん明後日って何してます?」
『ん?何!?聞こえないよ』
「明後日!予定ありますか!?」
『明後日は、、るりちゃんの泊まりロケで静岡にいるかな?何で?』
「あーそうなんですね、、」
『何かあった?』
「いや別に、、空いてるかなって思っただけでそれなら大丈夫です!」
『よしっ。綺麗になった!って結局僕がやってんじゃん』
千遥はそう言って奏を見ると少し悲しげな顔をしているのを見逃さなかった。掃除機を置いて奏の横に座り顔を覗く。
『奏くん。今日泊まってく?』
「えっ!いいんですか!?」
『うん。でもちゃんと家族電話してね!心配するといけないから。まぁ、、友達の家にいるとかなんとか言ってさ』
「はい、じゃちょっと電話してきます」
急にルンルンな顔でスマホを持って部屋を出ていく奏を見ていた千遥は、鞄の中のスケジュール帳見て顔を緩めた。
明後日5月29日の枠に書かれていたのはロケのスケジュールなんかではない。奏がさっき悲しい顔した理由も千遥知っていた。
"5月29日 奏くん誕生日"と知った日にすぐに書き留めておいた。忘れるわけなんかない。
ちょっと意地悪が過ぎたかな、、と思ったけどこれぐらいの方がサプライズのし難いがある。
そして、出会って初めての誕生日を迎える二人にとって大切な日になるだろう。
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