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War84: Jealousy and Sin⑤
気がつけば6月は台風のように過ぎ去った。
7月に入り千遥は DeeperZのマネージャーとして6人の現場に同行し個別の仕事にも那奈と分担していた。
YングMニアの放送も開始されると朔とのダブルレギュラーアシスタントの効果もあってかSNSでの反応も好調で番組を切り抜いた朔と奏のツーショット写真や動画が溢れていた。
「ほらっ、放送始まって1ヶ月でこんなにもフォロワーも増えましたよ」
見て見てと運転中の千遥の顔の前にスマホを出す奏。今日は正式にマネージャーになって初めて千遥は番組の収録に同行する。もう数回の放送を終えて奏も現場に慣れてきているよう。
『わかったよ、運転中危ないからっ!』
「あ〜千遥さんもしかして、、焼いてる?」
『何でそうなるの!?』
「俺と朔が仲良いから見たくないんでしょ〜!?」
『はいはい。ばか言ってないの!ほらっもう着くよ』
あっさり交わされた奏は口を尖らせてアピールするが拗ねる行為は幾度となく見てきた千遥に効き目はないようだ。
撮影場所であるレコード会社に着くとファンと思わしき女の子達が入り口で待ち構えているのが見えた。
『あれ?何でファンの子達が?』
「何でですかね!?いつもはいないし撮影の日なんて知らないはずだけど、、」
こちらに気付いたファン達はスマホをカメラモードにして走って駆け寄るが、駐車場のスタッフに止められる。少し離れた場所から二人が乗った車に手を振ったりカメラを向ける。どうしていいか分からない奏はぎこちなく手を振りかえすしかなかった。
「おはようございます」
廊下ですれ違うスタッフに挨拶をして控え室へ。出演者の中で1番乗りの二人はリハーサルまでまだ余裕のある時間ゆっくり過ごす。
とは言えここはあくまでも職場、今は恋人ではなくマネージャーとアイドルの距離を保たなければ。テーブルに並ぶ数種類のお弁当を選んで食べはじめた二人。
「唐揚げいただきっ!」
『あっ!コラっ何して、、』
「だって今日の収録は3本取りの長丁場だからたくさん食べておかないとですからー」
『それはこっちも同じなんだけど!』
収録を何度かしていくうちに数本取りの日も増えてきた。人気アイドルの二人のスケジュールの関係も大きいがスムーズに収録が行われるようになった証拠でもある。
「奏っ、おはよう!」
「朔おはよう。」
控え室の扉向こうからノックの音がして顔をだしたのは朔。毎度控え室に訪れているのが分かるくらい当たり前に軽く挨拶をした。
「おはようござ……あれ?いつもの女性の方じゃない、、?」
『あっ、マネージャーの大庭です!今日は日高じゃなくて僕が』
「……あっ!覚えてますよ。少し前にここでお会いしましたよね?」
少し考えた間を置いて明るく答える朔はニコニコしながら初対面であったときのイメージのまま。朔の言う"少し前"のあの日の別人のような物思わしげな目はしていない。
『えぇそうです。打ち合わせで来た時に』
「いやなんか、控え室からいつもより賑やかな声が聞こえたからなんだろうと思って。二人は仲良しなんですねっ」
千遥と奏は彼を見合わせた。"仲良し"と言うワードに見えているくらいならまだ問題はない。だけど気をつけないと!と二人は同じ事を思っただろう。
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