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War85: Jealousy and Sin⑥

 『まぁー…仲良しといっても普通にマネージャーとタレントの感じですよ。あはは、、ねえ!奏くん!』  「う、うんそう!うちの事務所は和気藹々とみんな仲いいからさ!ですよねー…お、さん!」    苦笑いをしながら白々しく普段呼ぶことのない苗字呼びをした奏に笑いを堪えるのがやっとの千遥はテーブルのお茶を飲んで場を誤魔化す。  「そうなんだ。羨ましいな」  『あっでも中崎くんの事務所は大きくてタレントも多いし、きっとスタッフ数も多いだろうから全員と仲良くって言うのは難しいよね。まぁうちみたいな中堅事務所ならではですよ』  「そうだよ。朔だってグループの仲間がいるし、やっぱりセンターが似合うオーラをもってるの羨ましいよ!だって俺いつもグループ写真端っこだもん」  『はっ!?何言ってんのーこの間の雑誌の表紙真ん中だったじゃん』  「カメラマンさんがたまたま提案しただからでしょ。それに一枚だけでしたよ〜」  些細な喧嘩がより親密さを醸し出してそんな二人のやりとりを朔はしばらく楽しむように見ていた。  「あっそうだ、奏この後時間ある?収録終わったら」  「このあとはー……確か何かあったような、、なかったような?」  『そうだね奏くんはこのあとバラシだよ』  少し濁した言い方で返事をした奏に反してさっぱりと言い切った千遥。奏がこのあとフリーだと知った朔はスマホの画面を開いて見せた。  「よかった!俺もこの後空いてんだけど買い物行かない?この前言ってた原宿のショップ。新作入荷したって」  「あーこれって朔が着てたあのブランドのお店?」  「そう。お店行ってみたいって言ってたから」  「じゃぁ今日一緒に行こうかな」  「決まりね!それじゃ戻ります。大庭さんお邪魔しました。奏今日も頑張ろっ」  そう言って朔が出て行きドアが閉まったと同時に奏は目を細めてじろっと千遥を見るが、座ってお弁当の続きを食べ初めた。  「あの〜もうちょっと行かないで!みたいな事言えないんですかね〜?せっかく曖昧に言ったのに!そうか〜俺が朔に取られちゃってもいいんだ!?」  『あのね、僕も忙しいの。この後事務所戻って仕事だし、どちらにせよ一緒にはいられなかったの。それに中崎くんに取られるって!?残念ながらそんな心配はしてませーん』  「それもそっか。昨日見た雑誌で、恋人にしたいアイドル一位が朔だったなあ。最近女優さんがファンだって公言してたし、人気アニメの実写化の主演決まったって言ってたな〜」    千遥の横に座って肩に頭をコトンと置いて遠い目をする。たまたま一緒にレギュラーする事になり仲良くしているけど、調子に乗って朔と対等だなんて勘違いも(はなは)だしいと改めて気付いた奏。    「俺ももっと頑張んないとな、、」  『けど気をつけてね、奏くんはまだしも人気者の中崎くんみたいな子が原宿なんて行って気付かれたりしたらパニックだから。今日日曜日でなおさら若い女の子だろうしね』  「それどうゆう意味ですか!俺だって街に出たら声かけられるくらいには知られてますよー…多分」  『ははっ。冗談だよ!DeeperZだってまだまだこれからでしょ?今回のレギュラーのように一つ一つ丁寧に仕事をしていけば必ず結果がついてくる』  なんて過去の自分への(いまし)めように言ったけど説得力がなさ過ぎてちょっと笑ってしまいそうな千遥。  ノックの音が聞こえて"栗栖さんメイクです"と呼びに来たスタッフに付いて出て行った奏を見送ると少し思い(ふけ)るように背もたれに持たれた。

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