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War86: Jealousy and Sin⑦

 「原宿久しぶりだっ」  「そうなの?いつも服買いに来てるんじゃ?」  「着てる服は大体ネットで買うか衣装の買取だよ、以前みたいに一人であちこち行く事はなくなって」  帽子とマスクでしっかり顔をガードした二人は夜の原宿を歩いている。平日でも相変わらず人が多い通りをテンション高く話す朔が少し可愛く見えた。  「あっ、クレープ食べない!?定番過ぎて嫌かもしんないけど」  「うん。全然いいよ」  すぐに見つけたクレープ店には甘ったるい香りが充満して数人の女子中高生が店内に居た。レジの横で実際作る過程を直に見る事が出来て手際のいい店員も、急に来店した完全防備の男子二人を時折りチラチラと気にして見ている。  「こんなに種類あるんだ?すごい、迷うなー」  「あー…早く決めて店出た方がいいかも!?」  メニュー表に忙しく目を向けている朔に周りの雰囲気を悟ってこっそりと耳打ちで伝えると、悩みながら一つ選んでそれぞれ注文した。  普段から気にせず電車に乗ったり繁華街歩くのは当たり前にしている奏はこの時ばかりは神経を使って朔のボディーガード化している。  "お待たせしました"と手渡されたクレープを受け取ると"二つ分で"と言いながら千円札を出した朔。    「いやっ自分の分出すよ!450円だよね。ちょっと待って、、」  「いいよ、俺に奢らせて」  店員のお姉さんも店内の女子達も少し勘付いているようで、疑惑を確かめるようにスマホで検索している。ヒソヒソと話す会話にグループ名まで聞こえ始め、さすがこのままじゃマズいと"ありがとうございました"と朔の背中をして逃げるように店を出た。  しばらく人気のないところを歩いていると見つけた公園は原宿にもこんな静かな場所あったんだと思うくらい小さなライト一つで薄暗く誰一人居ない。でもそのほうが好都合だと二つ並んだブランコにそれぞれ座った。  「うん、クレープ美味しい!何年振りに食べたかなこうゆうの」  「何年ってそんなに?えっもしかして普段お菓子食べたりしない?」  「ダイエットとか体系維持は強く言われてて。普段マネージャーに結構監視されててあんま自由ないからね」  「あー…マネージャーさんちょっと怖そうだもんね。いつも眉間に皺寄せてるし、、何か俺までヘマしたら怒られそうで収録中も結構神経使ってんだよ実は」  「あははっ!そうだったの?別に他の事務所の子の事言ったりはしないよ!むしろ奏の事は褒めてたよ、収録の度に成長してるって」  「マジで?何か嬉しい、、かも」  「俺は今まで褒められた事ない。そうだ、それに比べそっちは日高さんといい大庭さんといい優しそうなマネージャーで羨ましいよ」  そう言って朔はクレープを食べる手を止め悲しげに苦笑をもらしブランコを揺らした。大手事務所はしきたりやルールが厳しいとよく聞く話だ。 大手に行けば売れる、テレビ局やプロデューサーからも声がかかる。 売れたいなら大手事務所に行け!とアイドルを目指した時、奏だって一度はそう思った。売れている人はその分多くの苦労をしている現実を知った。  「まぁウチは自由過ぎるくらいだけどねー…はははっ、、」  でないとマネージャーとタレントが付き合うなんでまずあり得ない。もちろんそれだって事務所関係なく良い行いではないこともわかってる。  アイドルと言う肩書きは思った以上に重圧だ。

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