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War87: Jealousy and Sin⑧

 "いらっしゃいませ"と数人の店員が声を揃えて二人を迎えた。お目当てのショップは路地裏にある黒い外観に店の前の名前が小さく書いてあるだけ。シンプルさが逆に高級感を出して、一見さんはなかなか来ないであろう雰囲気。  「お世話になってます。会うのは初めてですよね」  そのうちの1人の店員と親しく話始めた朔。来店を初めてだけど、ネットや電話注文でよく連絡していた店長さんらしい。 朔が私服でこのブランドを着ている姿をSNSで見かけてファンの人からも問い合わせや店に来ることも多いそう。 今やテレビや雑誌で広告を見るより、人気アイドルがSNSで載せる写真の方影響力がある。  「今日は友達連れてきたんですけど一緒にみてもいいですか?」  「えっとー…DeeperZってグループやってます栗栖奏です」  「あっ〜見たことある!なんかラスベガスで撮ったミュージックビデオあったよね!あれかっこよかったよ。中崎くんもだけど君もすごくイケメンだね。うちの服似合いそうだよ」  「ありがとうございます。俺こういうところ普段来ないからー…」  「全然ゆっくり見て好きなの試着してみてっ」  それから店長に入ったばかりの新作や人気の商品を見せてもらいながら、自分だけではなく奏に似合う服をコーディネートしていく朔。  メンバー達とだって買い物に行く事はほとんどない奏。まさか知名度の高い人気の先輩アイドルと原宿のショップで服を選んでるだなんて、やっぱり不思議だなっと横から鏡に向かって奏の身体の前で服を合わせる朔をじっと見ていた。 その時、背後から声が聞こえ二人同時に振り向いた。    「あのっ、1 on 1の中崎朔さんですか?」  「はい、そうです」  「私ファンなんです!良ければ握手とか……いいですか?」  男女で来ていた二人組の女性が朔のファンだと声をかけ接触している。奏は今日はボディーガードに徹して二人の間に割って入ろうとした。  「えぇもちろん。俺なんかでよければ」 意外にも快くファン握手する朔の後ろで全く気づかれていない奏は洋服を握り締め肩身狭く見ているだけ。  「あとー…写真とかだめですよね、、?」  「かまいませんよ、撮りましょう!」  さっきマネージャーの話を聞いたばかりで断るかと思っていた写真も承諾した朔は店内の壁にあるお店のロゴマークの前にファンを誘導し、ツーショット写真を撮った。  「ありがとうございます!ずっと応援してます。頑張って下さい♡」  「どうもありがとうございます」  終始笑顔と感謝の言葉で対応した朔に幸せそうな顔で男性と出て行った。もちろん奏には最後まで気付く事はなく。  「こんなところに偶然ファンがいるなんてさすが人気者はすごいね。でも良かったの?写真撮っても、、怒られない?」  「基本的には写真を断ってるんだけど、お店だから撮ったんだ。もしその子がSNSで写真載せれば、このお店の宣伝にもなるじゃん」  「あー…なるほど。それでロゴの前で」  「それにあの子の持ってたスマホのカバー、僕たちがデビューして最初のライブの時のグッズだったんだよ。だからデビューからずっと好きでいてくれるちゃんとしたファンだってわかったから撮ったんだよ」  あんな一瞬でそれを見分けてお店のことを考えた場所で撮影して。ほんとにプロのアイドルはこういう事なんだと感服した奏。  「それよりどう?気になった服あった?』  「あー…このシャツすごくかっこいいけど15000円はー…」  「これねっ!すいません、この3つ買います。袋は分けてもらえますか?」  「あっ、や、ちょっと!」  「会計は一緒で大丈夫です。カードでお願いします」

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