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 するとハラちゃんはちょっと呆れたように笑い、言った。 「俺が諸悪の根源とはいえ、さすがにアレは……ね。  さっさと連絡して、謝まってあげた方が良いんじゃない?  だってあの人、いまにも死にそうな顔してたぞ」  ハラちゃんの言うように、自分でも謝るべきだとは思う。  だけど僕は西園寺さんに貰った連絡先をとっくに捨ててしまっていたから、その手段が無かった。  送迎はやめて欲しいとお願いしたから、きっと今日も夜のお迎えはないはずだ。  というかそもそもの話、僕は愛想を尽かされて、お昼にすらもうお弁当を買いに来てくれないかもしれない。  ……ストーカーなんて言いながら、西園寺さんが僕に会いたいと思ってくれないと、僕は彼に会う事すら叶わないんだ。 「無理だよ。……だって僕、あの人の連絡先なんか知らないもん」  僕の口から出た声は、自分でもびっくりするくらい小さく、弱々しくて。  ‥‥‥西園寺さんともう逢えないかも知れないというその事実に、思っていた以上にダメージを受けていたんだと気付いた。 「そんな情けない顔、すんなよ。  ‥‥‥調子が、狂うなぁ。  大丈夫!俺は前に交換したから、知ってるよ」  スマホをポケットから取り出すと、ハラちゃんは電話番号を呼び出し、そのままいきなり掛けた。  それに驚く間もなく呼び出し音が鳴り、さらには通話中に画面の表示が変わった。 「あ、西園寺さん?  にこにこ弁当の、原っす。   今ちょっとだけ、時間大丈夫っすか?  陸斗がなんか、西園寺さんに話があるみたいなんで、代わりますね」  動揺する僕にスマホを押し付けると、ハラちゃんはニヤリと笑い、頑張れとでも言うように拳を僕の肩にポンと触れさせて休憩室を出ていってしまった。

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