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だからこれでやっと罰ゲームが終わったのだと思い、ホッとして目を開けたのだけれど。
彼はフゥと小さく息を吐き、耳元で切なげに囁いた。
「陸斗くん……そんな顔されたら、さすがに我慢出来なくなるよ」
だけど彼の発した言葉の意味が分からず、ただぼんやりと西園寺さんの綺麗な顔を見上げた。
すると彼はちょっと困ったように笑い、僕の髪にそっと触れながら告げた。
「ここからは、罰ゲームじゃないからね。
だから嫌なら、ちゃんと拒絶するんだよ?」
そして彼の形の良い唇が、僕の唇に静かに近付いて来た。
何をされるのか気付きながらも、何故かは分からないけれど嫌では無かったから、僕はもう一度そっと目を閉じた。
息を飲む、気配。
彼が少しずつ、近付いてくるのを感じる。
そして柔らかく暖かなものが、僕の唇に一瞬だけ触れた。
「……本当に、嫌じゃない?」
不安そうに、優しく彼が問う。
だけどやっぱり嫌ではなかったから、コクンと小さく頷いた。
すると彼の唇が、再び僕に近付いて来て。
……今度は舌先で、軽く唇をノックされた。
それに少し戸惑いながらも、求められるまま、僕は小さく口を開けた。
ぬるりと差し込まれた、舌先。
それは僕の歯列をなぞり、舌を器用に絡め取った。
でもどうしたら良いか分からず、息が苦しくなって酸素を求め、彼の唇から逃れようとしたら、クスッと笑って頭を撫でられた。
「呼吸は、鼻でするんだよ」
コクコクと何度も頷きながら、言われた通りキスをした状態で、鼻での呼吸を試みた。
「そう、上手……いい子だね、陸斗くん」
誉められたのが、嬉しくて。
再び彼に抱き付き、更なる口づけを求めた。
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