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「へ……?」  突然の凶行に驚き、またしても変な声が出てしまった。  正直言うと僕だって、少しだけ考えてはいたのだ。  泊まりでこの人と出掛けたりしたら、何をされるか分かったものじゃないって。  そしてされたとしてもきっと、嫌じゃないであろう事も。  だけどそれは食事の後、お風呂に入ってからだと思っていた。  なのにこのタイミングで、押し倒してくるとか……。 「大丈夫だよ、陸斗くん。  今はまだ、最後まではしないから」  僕の体に跨がった状態のまま、ハァハァと息を乱す西園寺さん。  でも一体何が切っ掛けで変態スイッチが入ってしまったのか、僕には皆目見当がつかない。 「今はまだ、って何ですか?  それに、大丈夫って言われても……全然大丈夫な感じが、しないんですけど!?  あとこの間からあなた、最後、最後って……意味が、分かりません!」  両腕にグッと力を込めて、彼の体を押し戻そうと試みる。  なのに結局力負けして、もっと文句を言ってやろうとした唇はキスで塞がれてしまった。 「可愛い、陸斗くん。  怖くないからね、今はキスだけだから……」  優しく僕の頭を撫でる、彼の大きな手のひら。  同性相手にこんな真似をされたら、普通は不快に感じるはずなのに、ただ心地良かった。  彼にキスをされるのも、彼に触れられるのも。  歯列をゆっくりなぞられ、力が抜けて開いた口内に強引に侵入してきた彼の舌先。  呼吸の仕方を忘れそうになったタイミングで、彼はクスリと妖艶に笑った。 「陸斗くん、この間教えたよね?  こういう時、呼吸はどうすれば良いんだっけ?」  ようやく唇を離して貰えたと思ったら、耳元で卑猥に、囁くように聞かれた。

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