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……初めてって、どういう意味だろう?
この間あれだけ好き放題、僕の体を弄んだ癖に。
そう言ってやりかったけれど執拗なくらい胸を攻め立てられたせいで呼吸が乱れ、それを言葉にする事は叶わなかった。
だから僕は半泣きになりながら、ただ彼の綺麗な顔を睨んだ。
その後もしつこいくらいあちこちにキスをされ、半ば放心状態の僕から体を離すと西園寺さんは満足そうに笑い、二人の唾液で濡れた唇を指先で拭った。
「可愛いなぁ、ホント。
じゃあ続きは、浴室でね」
本当はもう止めてって、言わないといけなかったはずなのに。
僕はコクンと小さく頷き、彼の背中に腕を伸ばしてぎゅっと抱き付いた。
「あぁ……力が完全に、抜けちゃった?
良いよ、そのまま俺にしがみついてて。
また抱っこして、連れてってあげる」
僕を軽々と抱え上げ、お姫様抱っこをしてクスクスと楽しそうに笑う西園寺さん。
……随分ご機嫌みたいだけれど、一体誰のせいでこうなったと思ってるんだよ。
それにあまりにもムカついたから指先に力を込めて、思いっきり背中をつねりあげてやった。
「痛い、痛いよ陸斗くん!」
突然の攻撃に驚いたのか、彼の体がガクンと大きく揺れた。
だけど既に立ち上がり、浴室へと向かう途中だったからきっと、どうする事も出来ないだろう。
ざまぁみろ!
「わざとあなたが痛いように、したんです。
せいぜい僕の事を、落とさないように気を付けて下さいね」
僕の事が大好き過ぎて、手を離して床に放り出す事も反撃する事も出来ないのを知りながら、にっこりと微笑んで告げた。
なのに西園寺さんは、ちょっと嬉しそうにまた笑った。
……いや、そこはさすがに怒ってよ。
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