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 自分でする時はいつも、溜まった精を吐き出す事だけを目的としてきた。  だからこういった行為に慣れていない僕は戸惑い、途方にくれて彼の顔を見上げた。  すると西園寺さんは意地悪くニヤリと口角を上げて、焦らすみたいに僕の分身を一度だけさっきより激しくしごいた。 「んっ……!」  あまりにも強い快感に、僅かに残されていた理性さえも奪われて。  駄目だと言いながら、絶頂の直前でお預けを喰らわされた体は貪欲に、与えられた刺激を悦びもっと欲しがっているのだと思い知らされた。  すがり付くみたいに、彼に向かい伸ばした腕。  強く抱き付くと西園寺さんは全て見透かしたみたいに恍惚とした笑みを浮かべ、優しく僕の頭を撫でた。 「駄目じゃないし、止めなくても良いよね?」 「でも西園寺さんの手を、このままだと汚しちゃう……」  それが嫌なのだと伝えたら、彼は一瞬驚いたように瞳を見開き、それからクスッと笑ってなだめすかすみたいに穏やかな口調で告げた。 「そんなの、気にしなくていいから。  陸斗くんのなら汚いなんて絶対に思わないから、安心して」     僕の体は限界なんてとっくに越えてしまっていたけれど、自力ではこの体内にこもる熱を解放する事が出来ない。  どうするのが、どう答えるのが正解か分からず、ただ彼の顔を見上げた。 「大丈夫だよ、陸斗くん。  恥ずかしいなんて、思わなくていいから。  俺の前では、全部さらけ出して」  だから恥ずかしくて堪らなかったけれど、彼の言葉に夢中でコクコクと何度も頷いた。  そして彼に導かれるまま、僕はこの日一回目の絶頂を迎えた。

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