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裸になった僕の体を再びまさぐり始めた、西園寺さんの大きな手のひら。
さっきまで散々お風呂場で好き放題弄ばれた上、えっちなビデオまで半強制的に見せられたため、僕の意思に反して体は既に興奮状態にあったから、だらしなく開いた唇からはすぐに卑猥な吐息が溢れた。
「最初はちょっと違和感があるかも知れないけど、なるべく君が気持ち良くなれるようにするからね」
そんな事を耳元で囁きながら、彼の長くしなやかな指先が四つん這いになった僕の後孔に優しく触れた。
痛くもない代わりに、別段気持ちが良いとも思わなかった。
くすぐったいような、むず痒いような。……そんな、奇妙な感覚。
だけどそんな場所を触られるのはやはり恥ずかしかったし、嫌悪感が全くないといえば嘘になる。
なのにローションを垂らされ、ゆっくり少しずつ解されながら指が中に侵入してくるにつれ、それ以外の感覚が僕の体をじわじわと蝕んでいった。
「ん……っ!」
反応した場所を的確に捉えたまま、彼の指先が僕の中で蠢く。
信じられなかった。
……こんな場所で感じてしまう、自分の体が。
「……陸斗くん、ここ?」
耳朶に這わされた、彼の舌先。
ふるふると左右に首を振り、そこは嫌だと訴える。
だけど彼は止める事無く、執拗にそこばかりを攻め立てた。
「そこ、やだ……西園寺さん、それ止めて下さい」
半泣きになりながら、顔だけ後ろに向けて彼を睨んだ。
だけど彼はそんな僕の唇に軽く口付けて、クスリと笑って告げた。
「悪いけど、そのお願いは聞いてあげられないかな。
……だって陸斗くんのイヤは、良いだってわかってるからね」
そしてローションでぬるぬるになったそこに、彼は更にもう一本指を沈めた。
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