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 いっそ痛いだけなら、まだ良かったかもしれない。  なのにローションの力を借りてぬるぬると彼の指が出入りする度、どんどん体が熱を帯びていく。 「二本目にも、もう慣れて来たみたいだね。  三本目……そろそろ、入るかな?」  クスクスと楽しそうに笑いながら、耳元で囁く西園寺さん。  もう一本指が添えられたのを感じ、体がビクッと大きく震えた。 「力、抜いて?  大切な君の体を、傷付けたくないから」  頭を優しく撫でられると、言われるがままフッと全身の力が抜けた。  そしてそのタイミングを逃す事なく、更に追加された三本目の指。  だけどそれは強引に押し入るでもなく、ゆっくりと、僕の呼吸に合わせて少しずつ侵入してきた。  彼が指を抜き差しする度に、ぐちゅぐちゅといやらしい水音が二人きりの広い室内に響く。 「三本全部、飲み込めたね。  陸斗くん、よく出来ました」  ちゅっ、と頬にキスをされ、自然と緩む僕の表情筋。  彼に褒められたのが嬉しくてにへらと笑うと、強く背後から抱き締められた。  突き入れられるよりも、抜かれる時の方が気持ちいい。  意識しているワケじゃないのに、ついはしたなく彼の指を名残惜しそうに締め付けてしまうのに気付き、羞恥からますます体が熱く火照っていく。  それを感じ取ったのか指を西園寺さんは引き抜く際、殊更ゆっくり焦らすみたいに動かした。 「もうだいぶ、馴染んで来たかな……。  そろそろ俺も限界だし、挿れていい?」  ハァハァと息を乱しながらも、無理矢理事を進めるでもなく、優しい西園寺さんは最終決定を僕に委ねた。

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