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好き③
なのに彼は楽しそうに笑い、そこにローションで濡らした指先を滑らせた。
するとその瞬間、僕の体は大きく震え、反り返った喉元に彼の唇が触れた。
「ふっ……、んんっ!」
媚びるような、甘えるような僕の恥ずかしい卑猥な吐息と喘ぎ声が、二人きりの室内に響いた。
「可愛い、陸斗くん。
もっと声を、聞かせて?」
行為の最中の西園寺さんは、いつもちょっと意地悪だ。
普段の彼はいつだって僕の気持ちを中心に考え、的外れながらもいつだって僕を喜ばせる事を一番に考えてくれるのに。
なのに最も困るのは、こういう彼も嫌いじゃなくて。
……恥ずかしい事を言われたり、されたりするのに興奮してしまう事。
いつも僕達が繋がる場所の周辺を、ねっとりと彼の指が這い回る。
それに反応して、後孔が収縮を繰り返し、彼を求めるのを感じた。
つぷりと挿入された、彼の指先。
それはゆっくり僕の中を出たり、入ったりを繰り返す。
突き入れる時は少し素早く、引き抜く時は焦らすようにゆっくりと。
西園寺さんの太く逞しいモノを受け入れられるよう、少しずつ中を拡げられていく。
そして三本目の指も受け入れ、達しそうになったところでそれらは全て引き抜かれた。
「西園寺さん……。なんで……?」
逝く直前で止められてしまったものだから、避難がましく訴えた。
「指じゃなく、もっとイイモノで逝かせてあげる。
ほら。四つん這いになって、お尻をあげて?」
素直にその言葉に従ったのに、ゆるゆると熱く硬いモノでその場所を擦られるだけで、一向に挿れては貰えなくて。
もどかしくて、切なくて、またしても泣きそうになったところでいきなり激しく、一気に奥まで貫かれた。
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