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第7話

「変態です…」 「今更だろ。 ほら、車まで戻んぞ」 「此処で…」 「あ、此処でしてぇ? えっろいなぁ」 「そういう意味じゃなくて…」 発展場の公園にやって来た2人はそこで危ない遊びをしていた。 バレれば社会的に死ぬ遊び。 三条の心臓はドックン、ドックン、と早鐘を打つ。 脚が震えるのを長岡の腕を掴む事で必死に押さえ込んでいる状況だ。 それに比べ、長岡は酷く楽しそうな顔をマスクで隠している。 そんな2人は公衆トイレを出ようとして足を止めた。 「っ!」 誰かの足音が近付いてくる。 長岡は三条を個室に押し込めると、そっと扉を閉めた。 更に、三条の壁になり上から覗かれても顔が見られないようにする。 息を潜め外の様子を伺った。 此処は公園だ。 それに、一応は発展場でもある。 募集がなくとも人が彷徨いたっておかしくない。 今まで会わなかっただけで、自販機や公衆トイレを利用する人だっていて当たり前だ。 ケツに玩具を入れ男とトイレから出てくる所を見られれば、“そういう事”をしたとバレる可能性だってある。 擦れ違うのが同級生の可能性だって決して0ではない。 ぎゅっと細い身体を抱き締める。 「行ったか?」 「通り過ぎただけ、みたいですね…」 「焦った」 ふーっと細く息を吐き、何気なくみた三条にハッとした。

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