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第11話

コートを握る手に力が入る。 アナルの締まりも1層キツいものへとかわる。 あぁ、イくのか。 「ん゛……ッ」 不安だろうに。 こわいだろうに。 それを上回る快感に落ちた。 なんて甘美な瞬間か。 何度、経験してもゾクゾクと興奮してしまう。 ふー、ふー、と荒い息に、そちらを見ると三条がマスク越しにマフラーに噛み付いていた。 喉まで痙攣しているのか、呼吸の音に時折しゃっくりのような音の震えが混ざる。 少しでも呼吸が楽になるよう背中を擦った。 それなのに、三条の後孔はきゅーっと指を奥へと誘う。 敏感になった身体は、すぐに甘いものを強請り貪る。 可愛い。 たまらない。 語彙が少なくなっていくのが自分でも分かるが、この愛おしい子を前にしたらそうなったって仕方がない。 すべて恋人のせいにしてしまえるほど溺愛だ。 「やぁらしくイけたな」 「ひ………と…、は……」 小さな小さな声は、長岡の鼓膜になんとか届く。 「どっか行った。 ジョギングとかみたいだったな。 気が付かねぇくらい興奮したのかよ」 「……っ」 「やっぱ、露出の気があんだろ」 喉の奥でくっと笑った声は、自分で聴いても酷いものだ。 情を持つ人とは思えない残酷さもある。 なのに、三条の目は蕩けたままだ。 心の奥から守りたいの加護欲が湧き出してくるのに、こんなにマゾいのだからもっと酷くしたいと相反する気持ちを持ち合わせる。 それすら受け入れてくれる優しい恋人に酷いことなんて出来ないはずなのに。 スイッチが入ると、つい色に溺れさせてしまう。 「また首輪付けて歩くか? あ、なんなら俺のディルド、ケツに入れてにすっんか。 貞操帯付いたサポーター買ってやるよ」 「…も、……どれなく…なり、まっ、すからぁ」 ローターの振動に身体を震わせ2回目を味わおうとする身体に、長岡は目を細めた。

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