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第3話
三男は慣らし保育のお陰か特別グズる事なく保育園に行くのだが、寂しいのは三条の方だ。
母親も産休が明け、自宅に1人。
正確には、春休み中の次男がいるのだが。
それも、あと1週間。
来週からは次男も中学校が再開される。
オンライン授業を1人部屋で受け、飯も1人。
決して1人が寂しい訳ではない。
今までは賑やかだったリビングが急に静かになるのを考え、少しだけセンチメンタルになってしまうだけ。
変わらなくてはいけない事があれば、変わらない事もある。
当たり前の事だ。
時代がかわれば、常識も変化する。
そんなの、別に今にはじまったことではない。
歴史の授業でだって習うようなこと。
それを素直に飲み込めない自分が我が儘なだけだ。
神社の池をぼーっと見詰めながら恋人を待つ時間にさえ、そんな事を考えてしまう。
“また”なんて、愚痴を言いたくないから飲み込むが、それでも不満がない訳ではないんだ。
本心は別のところにちゃんとある。
恋人が守ってくれる本心が。
大切だからしまっておく。
自分だけ、なんて思ったところでの話なのにな。
学校が決めた事なら、生徒がどう足掻こうがどうすることも出来ない。
学校だって、小さな社会なのだから。
鯉が自由に水中を泳いでいくのをただ見ていた。
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