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第24話

ローターの細かな振動と、長岡から与えられるピストン。 2つの振動が合わさると頭が馬鹿になりそうだ。 もうセックスの事しか考えられなくなる。 え…… 腹の中でナニかが動いた。 正確には“嵌まった”と感じた。 この感覚は覚えがある。 ローターが弁を抜けてしまったんだ。 S状結腸は越えてないと思うのだが、分からない。 判断がつかない。 やばい、抜けなくなったら、コードは大丈夫か。 沢山の事が頭の中を一瞬で埋め尽くした。 けれど、それらはすぐに吹き飛ばされる。 細かな振動と絶対の大きさが、枯葉のように簡単にどこかへ紛れて消えた。 「お゛ぐ…っ、」 なんとか知らせなければと声に出したものの、ただの汚い喘ぎ声。 「え、あ゛っ、……あっ、」 乳首を詰ままれながら腰を揺らされる。 車体が揺れないようなもどかしいそれに、喉から甘い媚が漏れ出た。 もう駄目だ。 飲まれる。 飲まれちゃう。 長岡に触れたくても手首を拘束されていて、それめ望めない。 ただただ沈むだけ。 「ま゛……っ、」 「ローター、やべぇな…」 良かった。 長岡にも自覚はあるらしい。 いや、亀頭に当たっているのだから分かるか。 靴の中で足の指をぎゅっと丸めながらなんとか呼吸をしている三条はすっかり汗をかいている。 そのにおいに興奮し長岡も理性ギリギリの状態だ。 それでも、恋人の身体を優先するのは心から愛しているから。 「コードひくから、ちょっと堪えてくれ」 堪えられるか自信はない。 だが、堪えるしかない。 バレない為にも。 セックスを続ける為にも。 離された手でマフラーごと口を覆う。 今出来る精一杯だ。 ツツ…とコードに触れられた感覚がし、グ…っと引っ張られる。 けれど、弁に嵌まり居座るそれは優しい力では動いてくれない。 力を抜こうにも上手く出来ず、排泄の時の感覚が思い出せないでいる。 なぜかって。 長岡の精液が欲しくて奥が吸い付いているから。 身体が知らないフリをしているんだ。 「……むっ」 手の上から大きな手が口を覆った。 なんだ、と思う隙も与えず、長岡は耳元で囁いた。 「ちょっと我慢な」 大きなモノが抜け、くぱ……と開くソコに指が入り込んでくる。 コードを辿り奥へ奥へと。 そして、奥でコードを手繰り寄せる。 グニグニと肉壁を弄られ涙が溢れる。 長岡は自分の事を考えて抜こうとしているのに快感を感じている自分が恥ずかしい。 過ぎる快感に涙腺までもが刺激される。 頭がパンク寸前だ。 「っ!!」 グポッと動き出したソレ。 ソレがズルズルと出口へと引かれていく。 マスクを涙で濡らしながら、腸液を纏まらせた玩具を漸く吐き出せた。

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