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第46話
「明日は、何が食べたい?」
「うーん……、そうだな。
美月ちゃんの作るのはなんでも美味しいから迷うなぁ」
天井を見上げながら、そうだな…と考える。
好きな物。
美味しい物。
そのどれもに、家族の顔が浮かぶ。
自分の世界の中心は、やっぱりこの家らしい。
「何が良いかな。
たまご焼きと…うーん…」
全部美味しいから迷うと笑えば、今食べたい物を言えば良いのにと同じものが返ってくる。
こればかりは迷ってしまう。
「ん、ま……」
「ははっ、綾登はなに食べてるんだろうね」
「2人に似て沢山食べるから。
おかわりしてくれるようになって嬉しい」
「美月ちゃんの作ってくれるご飯は美味しいもんな」
「で、明日はなにが食べたい?」
「あ、手羽先の煮物も食べたいな。
それと、遥登と優登の好きなのも」
その方がもっと美味しいだろ。
「たまには我が儘言ったら?
なにかないの」
「じゃあ、今日は美月ちゃんの隣で寝たい」
「朝になって綾登に怒られても知らないよ」
「良いよ。
元気でなによりじゃないか」
怪獣みたいに怒ったって、元気だから出来る事。
元気にすくすく育ってくれている事が嬉しいと笑う。
起こさない様にそぅっと抱き上げ、夫婦のベッドに隣接しているベビーベッドに寝かせる。
腹に布団をかけ、敷布の上にはお気に入りのブランケット。
手にはしっかりとくろねこの友達を握り。
これで少しは怒りが減れば良いが、そうでなくとも元気ならなによりだ。
「ねぇ、美月ちゃん。
この並びの方が良くない?」
「さぁ?」
「酷い。
こんなに好きなのに」
「私も好き。
けど、綾登も好きだから」
「そういうところも好き」
兄弟がよく似た顔が愛おしい。
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