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第63話
フラフラとアーケードの屋根の下を通りながらデートをしつつ長岡の愛車までやって来た。
ここからは、ドライブデートだ。
運転している時の横顔もとっても好きなので嬉しい。
マスクをしていたら見えないがEラインもすごく綺麗で、街灯のぼんやりした灯りで縁取られる輪郭や髪も良い。
まして、小雨の雨粒が光をよりキラキラさせてくれるので、いつもより輝いてみてる。
上機嫌になるのも分かるだろ。
「お願いします」
「任せとけ。
どこ行くかな」
とりあえず2人きりになれる場所だよなぁと口にしてくれるので、今度は口元が緩んでしまう。
やっぱり大好きだ。
長岡が大好きだ。
胸がぎゅぅっとする。
これがトキめき以外のなにか。
「そうだ。
お茶買ってきたら飲めよ。
ほら、どっちが良い」
「選んで良いんですか?
んー、じゃあ、冷たいのください」
「ん。
暑かったら言えよ。
遥登、体温高けぇからな」
「大丈夫ですよ。
俺は、いちご大福買ってきました!
ここのお店の、大福がやわらかくてすっごくおすすめなので食べて欲しいなって思いまして」
「飲み物頼めば良かったな」
大福はおやつだが、大きい分別でみたらお菓子だ。
和菓子だもんな。
それに本当に食べて欲しかった。
やわらかくモチモチの求肥にクリームが包まれ、その大福に切れ目を入れていちごをのっけた最近のいちご大福なのだが、ここのお店のはクリームが甘さ控え目でいちごの甘酸っぱさを引き立てているのですごく美味しい。
しかも、クリームの種類も多い。
あんこと共に包まれたものや、チョコクリーム、抹茶クリーム、求肥も白いものからチョコレート色まで。
選ぶのも楽しい。
だから、長岡と食べたい。
「じゃあ、適当な所で食うか」
「はいっ」
長岡とならどこでも楽園だ。
だけど、その楽園でも居場所の良い場所を選びたい。
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