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第69話

荒い息が嬉しくて、何度も刺身擦り、揉む。 「遥登…、名前、呼んでくれるか」 「正宗さん」 「ん……、良いな」 すっっごく色っぽい声にドキドキしてしまう。 しかも、自分がそうさせている。 そう思うと尚更目が離せない。 見詰めあったままの行為は更に続く。 「正宗さん、気持ち良くなってださい」 「も、やべぇって」 「もっとです」 静かな河川敷。 小雨が気配を消してくれているお陰で、本当に2人だけの世界。 人が近付いてくるとしたら灯りを持ってだ。 光に気を払っていれば、ほぼ大丈夫なはず。 はずでしかないので、早くするに越した事がないのは事実だが。 だが、そう錯覚するくらい許して欲しい。 「正宗さん、好きです」 「は…っ、それすげぇ良い」 「正宗さん、大好きです」 「ん、俺も…」 見詰め合いながら扱いていると、ふと手に触れられた。 「え…」 「遥登の手ってだけで馬鹿みてぇに興奮してる。 もう下っ腹痛くてやべぇ」 大きな手が重なったまま手を動かされる。 本人が興奮していると言うだけあって、手がアツい。 握られた手の熱と、陰茎の熱が頬をアツくさせる。 「遥登」 名前を呼ばれると興奮するのはお互い様だ。 艶やかな顔、表情、声、息遣い。 どれも、頭に叩き込む。 1人でする時に思い出したら、……絶対に気持ち良い。 帰ったら自慰をしそうだ。 「あー、イく、」 「正宗さん」 「ん、イく…な」

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