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第86話
特別大きい訳ではないが異物感がある。
しかも、電動。
どう動くかも知らないそれがアナルを満たしているんだ。
不安と期待が入り交じる。
「前立腺ガンガン刺激してくれるようにピストンもしてくれんだってよ」
「ぴす、とん…?」
振動するだけではない…?
喉がヒクリと震えた。
無慈悲な刺激。
人間には絶対的に出来ない細かな動きは、電池が斬れるまで止まらない。
それは、天国か地獄か。
「楽しめよ」
カチっとボタンを操作するとヴヴヴ…っと羽音をたて暴れ始めた。
震えるだけならまだ可愛いものを、ピストンまでしてくる玩具。
前立腺がジリジリ刺激され気持ち良い。
「い……ッ、あっ、…ッ、ぐ…ぅ……」
三条は身体を丸めようとしたが、身体を這う縄がそれを許さなかった。
ひたすら受け入れろ、と。
「あっ、……これっ、これッ、…」
「あぁ。
締めたろ。
それ、締めると気持ち良くなるやつだからな」
そうだろう。
現在進行で、体感している。
括約筋が締め付ける度にイイトコロを抉ってくる。
こんなのが勃起不全の改善の為のものだなんてにわかには信じられない。
や、ばい……、も…いきそ…っ
体制も相まって、前立腺を突くように動いてくる。
こんな呆気なくイってしまうのは恥ずかしいのに緊縛と共に興奮が抑えきれない。
「ちんこまで喜んで。
そんな気に入った?
妬けんなぁ」
違うと排泄してしまいたい。
こんな玩具じゃなくて、長岡のホンモノが良いと言葉にしたい。
なのに、気持ち良すぎて喋れない。
ただ、頭を降るだけしか出来なかった。
そんな姿を見下ろしている長岡の足が玩具にかかる。
そして、その先端が当たるのは精嚢。
「イ…っ、」
「あーあー、トコロテン久し振りだなぁ。
気持ちいかよ」
ちんこが壊れたかのように精液が漏れる。
自分の意思なんて関係ないし、恥ずかしいのに止められない。
ダラダラと溢れさせ、腹を汚し、ソファへと垂れていく。
適度に処理をしていたお陰でゼリーみたいなのが出てないだけマシか。
そんなものを見られたら、長岡は嬉々として塗り付けてくるだろう。
「気に入った?」
「ち゛、っ……がっ」
足に力を込められると当たるところが変わって構えられない。
「見………な、……いで…く、ださい…」
「見るに決まってんだろ。
あぁ、どうせなら動画でも撮っとけば良かったな。
今からでも遅くないか」
スマホを構えた長岡は特等席─陰茎とアナルがすべて丸見えるの正面─に腰を下ろした。
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