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第87話

ピロン、と陽気な音をたてたスマホが自分を捕らえる。 「っは、……あ、…あっ」 足がなくなった分、精嚢への振動は軽くなったのだが、自ら締めて気持ち良くなってしまっているのが恥ずかしい。 気持ち良くて締めればイイトコロを刺激し、イイトコロを刺激された気持ち良さでまた締める。 繰り返されるサイクルに終わりはない。 羞恥心を煽るのに最適な玩具だ。 「ちんこガチガチじゃねぇか。 気持ちいな」 「ん……、き、…もちぃ…」 アナルも陰険も丸見えなのが恥ずかしくて、せめて顔を逸らした。 だが、付き合う前から教え込まされてきた快感を感じた時は気持ち良いと言うことはしてしまう。 全く持って、長岡の教育の賜物だ。 言葉通りに、教えて育てたんだから。 「…っあ!うごっ、……」 振動が変わり、ピストンをはじめた。 前立腺に当たっているブラグ部分が奥を責める。 そんなの、駄目だ。 こんなの、駄目だ。 だって。 だって。 「う…ぅっ、…」 「あーあー、また漏らした。 気持ちくてたまんねぇのかよ」 「ごえっ、なさ…あっ、そこっそこっ!」 足を拘束する縄が軋んだ。 それでも、足を無意味にバタつかせる。 「また、で……で…る……」 キツく目を瞑り天井を向く。 喉を真っ直ぐにして、せめて酸素だけでも貪る為だ。 だから、気が付かなかった。 金属音と首に当たる冷たいモノ。 なんだろうと思い、うっすらと目を開けると綺麗な顔が近くにあった。 床に座り動画を撮っていたはずでは。 驚く三条を他所に、長岡は細い首に首をしっかりと嵌めた。 「出来た」 「ま、…っさ……」 「遥登は俺のだろ」 嬉しい。 所有されていると一目で分かるのも嬉しい。 「良い子だ。 俺のもっと勃たせられたら、入れてやるからな」

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